とあるXの戯言

色々社会不適合者の話

Xジェンダー当事者でその他色々社会不適合者による、どうでもいい話たち。

『腐女子、うっかりゲイに告る。』

皆さんこんにちは。お久しぶりです。

ずいぶんこちらに書くのを面倒がって行っていませんでした。
最後に書いた記事がまだ平成だった。

でもここからしばらくは、今までの10倍くらいの頻度で更新ができるかもしれません。

というのも、今クールはゲイに関連するドラマが3本もあります。ありました。

まず掲題のNHK腐女子、うっかりゲイに告る。』
テレ東『きのう何食べた?
日テレ『俺のスカート、どこ行った?』。

今のところ3本すべて毎週見ています。それに加えて『執事西園寺の名推理2』も見ているので、今クールは4本も見ていた。
しかも全部嵐さん出ていないのに。
ドラマは基本見ないのが普通なくらいなので、1クール内で4本もドラマ見るのは初めてでした。

そしてあれから色々あって、最早初夏の定例となりつつある嵐さんのイベント「ワクワク学校」にこの度初めて当選したということ(今回の話題と全然関係ない)も、7月頭に書くことになるでしょう(東京ドーム日曜午前参戦予定)。



話を元に戻しましょう。

昨夜2019年6月8日、掲題のNHKドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』全8話の放送が終了しました。

はあ~しんどかった。しんどかった。
原作を存じ上げないまま視聴したわけだけれども、タイトルからして、腐女子の生態と実際のゲイのギャップが面白いね、みたいな感じで割とポップなのかなとか思っていたら(まあそういうのも全くなかったわけではないけど)、全然しんどいじゃん。心臓持っていかれたじゃん。
後半4話くらいは大体泣いていました。そんなことになるとは、初回視聴前は毛頭考えてもいませんでした。

その、あ~しんどかったわ~っていうのをここに書いて、昇華しようと思います。













***ネタバレ注意*****














何がしんどかったのか。

大体は、純を見ていてしんどかった。

何で自分のような者が生まれてくるのだろうかとか
同性愛は治る、治らないとか
異性愛者になる、なれるとか
同性愛者だけど家族が欲しい、家族に、普通に憧れるとか。

気持ちは分かるけど、どうか自分を肯定してほしい、「普通」に憧れる自分を否定する必要もないけど、自分を否定してまで「普通」になろうとしなくてもいい、それはしんどいだけだ、と毎度純に思っていた。
ちょうど学生時代の、自己肯定感失墜していたころの自分を見ているようだった。
まあ今も自己肯定感ぶち上がってるわけでもないし、学生時代にあんなに激動で甘酸っぱくて苦い経験をしたわけではないんだけど、普通にならなければならないという強迫観念は常にあった。
ていうか、今もあるけど。そして、そこまで当時も今も、結局色んなほかの理由もあって、あまり普通になろうという努力はしていないし、周りから見たら自分の想像以上に浮いた奴だろうなとも何となく気付いているけど。だってあまり馴れ合わない職場とはいえ、一度も誰からもランチに誘われたことないからね。



そんなことはさておき。

しかし、そういうしんどい面もあったとはいえ、純を全面的に肯定するかと言ったらそうではない。
いやだって、言ってしまえば二股してるからね。
しかもそれが、普通の恋愛ができる自分になりたいとか、ゆくゆくは普通の家族が欲しいとかエゴ由来のものであって、実はバイだったとか、ポリアモリーだったとかいうわけでもないし、少なくともポリ自認であるならばマコトさんと三浦さんにその点了承取らないといけないわけだけど、そういった行動は一切見せていないし。それは裏切りだわな。

そりゃ普通になりたいという気持ちは、繰り返しになるが分かるし、そもそも普通でないとされる生まれながらの出発点に自分はいて(しかも、恐らくこれは一生覆らない)、そこから何とかしたいという気持ちのために三浦さんでテストしてみたわけだが、純くらい頭が良ければそれが失敗したときの三浦さんが負う傷は相当なものになるし、それは自分も同じであるということくらい、分かっていただろうに。
それを、アウティングされて心底傷ついたは分かるけど、飛び降りまでするほど悲劇の主人公ぶるのも、なんか違うと思う。一番悲劇なのは一貫して三浦さんだからな。厳しいこと言うようだけど。
(まあそれは一番の理解者であったファーレンハイトが「当然の報いだ」っていうのに帰するわけだけど)



そう思うと、三浦さんは本当に強い。そしてブレない。その強さはどこからもらったんだ。BLか。

強いし好きなものに対して誇りを持っていて勇気もあって、というのはもう分かっているから置いておいて、本当にこのドラマでは三浦さんに視聴者としても救われた。
というのも、前述のとおり特に後半から1話30分ですら見るのに気が重かったんだが、もうしんどい~無理~と思っているときに
「私も一緒に(BL星に)行きたい!」「神様は腐女子なんじゃないかな」
とかぶっ込んできてくれて、「そうだ三浦さんは生粋の腐女子だった~!これは腐女子の生態の話でもあった~!」と思い出させてくれた。
(二つ目に関しては、神様は地雷なしの最恐の存在だと思う、が私の思うところだけど)

しかし腐女子デビューが小5って割と早くない……?私は三浦さんたちより世代が上だからそう感じるのかもしれないけど、今やそんなにすぐBLが近くにあるものなの……?

あと三浦さんが仲良くしている姉さんカップルは、他人の地雷踏みまくりというか、周りを考えなさすぎだからもう付き合わない方がいいんじゃないかな。



あとは小野っちな。
純が三浦さんを騙していたことに怒るってのはいいんだけど、アウティング、ダメ、絶対。
特に学生というコミュニティが限られているところでそういうことすると、場合によっては本当に命取りなんだよ(ていうか、本当に純は飛び降りて命断とうとするとまで追い詰められたわけだし)。
まあそういう役だったっていうことで、演者の内藤氏も相当きつかったようで。
https://www.excite.co.jp/news/article/Mdpr_interview1842579/www.excite.co.jp



ていうか演じるのがキツいっていうのは、今回全員そうだったのではないのだろうか。
特に5話のアウティングを受けて動揺している感じ(明らかに差別するでもないけど、声高に小野っちを否定して差別反対を表明するでもなく、距離感は意識的に、無意識に変わっている)が、高岡くんはじめモブ友みんなリアリティ感じた。いやまあこうなるよね。
やり切った皆様は本当にお疲れさまでした。

純が大学生になってオープンリーゲイになったのか、それとも単に「Queenが好きです」とだけ言ったのか、その答えを明確に出さない最後の演出がああ~って憎かった。
しかもすぐ終わって、視聴者の心の整理がつかない間にニュースに移りやがって。
(あと、あんだけ勉強してなくて、純は現役で大阪の国公立に進学したのだろうかとか、相変わらず密に純と連絡を取っている様子の三浦さんの人生が実りあるものになりますように、とか色々なくはないが)



最後に。

このほど、仕事でなかなか他部署の人と意思疎通が図れないことが多くてもやもやが続いていて、「最近の私は癒しが足りない」と手に取った『おっさんずラブ』円盤。
時系列的には、『腐女子、うっかり~』最終回直前のころ。

そしたら、「えっ、マロって純やん」って今更気づいたwwwwwwwwwwwww
おっせえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

気付くのが遅すぎて、一人で赤面しておりました。
だって全然キャラちげえじゃんか!!
「アリよりのアリ」とか言っちゃう新卒の怪物が、ゲイであることにあんなに葛藤する高校生と一緒とは、思わないじゃん!!

腐女子、うっかり~』見ているころから、純の前髪長えな~暗いな~とは思っていたのですが、あの自己肯定感低そうな重めで長い前髪を、根拠なく自信たっぷりなセンター分けにするとマロになるわけか……などと考えておりました。

こういうのを演技うまいっていうのかな。恐れ入りました。



キャストの皆さん、スタッフの皆さん、お疲れさまでした&ありがとうございました!