とあるXの戯言

色々社会不適合者の話

Xジェンダー当事者でその他色々社会不適合者による、どうでもいい話たち。

プロファイルX:009

皆様こんにちは。

そして遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
怠け者なのでかなり遅い更新となってしまいました。
まあ多分このブログの更新なんざ誰も待っちゃいねえと思いますが、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、2018年初めの記事は、かなり久しぶりの

Xジェンダーインタビュー記事第9弾です!!

インタビュー募集を再開したところ、ご協力いただける方がいらっしゃいました!
よかったね!!

これ読んでインタビュー協力してもよいかなと1mmでも感じられたら、ぜひそのこ慈悲をこの怠け者にお恵みください!!

それではもうこれ以上だらだら書いても仕方ないので、早速内容に入っていきます。
どうぞご査収のほどお願いいたします。

★★★★★

―Xジェンダーを自認するに至った経緯やきっかけを教えてください。

昔から女の子らしいことは、嫌いというよりはしたくないなというか、自分じゃないなという気がしていて。

ただ、学生のときの制服のスカートは別に違和感などはなくて。
むしろ、周りが恋バナとか髪伸ばしたりとか化粧したりとかしているのに置いていかれないように、頑張っていたんですけど。

そんなときにある女性アーティストを知ったんですけど、見た目が男性っぽくて、その人に衝撃を受けて。
普通の女子だったら「カッコいい」と思うんですけど、私は「自分はこういう風になりたいんだな」と気付いて。

それに気付いた後に、当時高校生だったんで化粧してショッピングしてみたいなことに頑張って合わせてたんですけど、合わせるのが限界に達して自分の意志で髪をバッサリ切って。
男性になりたいというわけではなくて、自分らしくなりたいと思って切りました。

大学生になって台湾に留学する機会があったんですけど、台湾では同性カップルが普通に街で手をつないで歩いてたりしていて、それが新鮮でした。
それまでセクシャルマイノリティは自分とは関係ない別世界と思っていたんですけど、そのとき初めて身近に感じて。

あと、そのとき男性で好きな人ができないことを台湾の友人に相談したら、レズビアンなのではないかと言われて。
その頃から自分って何なんだろうと改めて考えるようになって。

しばらくもやもやして過ごしてたんですけど、あるときSOGI関連のツイートでセクシャリティ診断を見つけて、それを試したんですけど。
その一つ目の質問が、「あなたの性自認は男性ですか、女性ですか。」だったんですけど、自分がどっちか分からなかったんですよね。

そこから自分の正体が分からなくなってさらにぐるぐるしてて「性自認が分からない」で検索したら、「クエスチョニング」の次に「Xジェンダー」を見つけて。
それが去年の11月とか、ここ最近の話なんですけど。

Xの中だと不定性が特に説明の中ではしっくり来ました。

―色々なもやもやはずっと前からもっていたけど、Xに辿り着かれたのはつい最近なんですね。
―女性らしいものが好きではないようですが、身体に違和感はないのですか。

ずっと自分を当たり前に女だと思い込んで生きていたので、今の身体は理想ではないけど、何か取ろうとは思いません。

今の社会だと、男女どちらかを選択しなければならない場面ってあると思うんですけど、そのときに女性を選択するためのもの、女性だと言えるものとして、今の身体が保険になっているとは思います。

理想としては、どちらの特徴のない平坦な身体がうらやましいな、自分もなれたらいいなと思います。
その方がファッションとかもっと楽しめるだろうなと。

―どういう点で不定性が近いと感じられたのですか。

今までずっと短髪だったわけじゃなくて、髪を伸ばさなきゃいけない場面が何回かあって。

―そんなことあります?

成人式の写真とか。
振り袖とかも着たくはないけど、親が理解ないので着なさい、ということになるんですね。

仕方なく着ることになったとき、短髪のままじゃ着れないなというのが自分のこだわりとしてあって。
振り袖とか女性を象徴するものを着るなら、それ以外の見た目の部分も女性にならなきゃ、と思うんですよね。嫌なんですけど。

嫌々ながら髪を伸ばしていたら、だんだん心も女性寄りになってきて。
服装も髪型に合わせて変えるので、スカートなども穿くようになったら、ますます心が女性寄りになって。

そのとき、前から仲のよい男友達がいたんですけど、それまでは何とも思わなかったのに「男女でこの距離感はダメだろ」と感じ始めて、終いにはその人のこと好きになってしまって。

特にその人とは何も起こらなかったんですけど、どんどん自分の心が女になっていくことに混乱しました。

―ご自分の中で髪が長いか短いかが重要なんですかね。

今は短髪にしてるんですけど、これでも先月までは卒業式の袴ために長くしていたんです。
それ以外にも、就活のときも長かったですね。見た目から入るので。

そのときは長髪の期間が長かったので、だんだん切りたい衝動が出てきて。見た目は女性なのに心が追いついてないのが気持ち悪くて。
就活が終わって一旦短くして、また袴があることに気付いて伸ばしてたんですけど、前撮り終わった時点で限界が来て最近短くしました。

―袴も着たくない?

着たくないですね。髪飾りも嫌です。
着ろって言われることが、お前は女なんだって言われている気がして。

―でも制服は大丈夫だったんですよね。

そうなんですよね。自分でも何で大丈夫だったのか分からないですけど。永遠の謎ですね。

一つ思うのは、例えば女子校だったら、制服着ててもカッコいい女子っているんじゃないかと思うんですけど。
制服で自分を左右されないものだと思うんですよね。

―あと、袴などのときは長髪じゃないといけないと思うのはなぜですか。

髪短いのに袴着て化粧して飾り付けていると、変じゃないですか。
短髪なのに頬や口に色が付いていて、「何だこの気持ち悪い顔は」って自分で気持ち悪くなっちゃうんですよね。

―Xを自認されてから考えたことなどありますか。

安心2割、受け止められない不安が8割でした。

自分のこの状態に名前があるんだと安心もしたんですけど。
一方で何それ?どういうこと?どっちなの?と思う方が大きくて。
はっきりしないのが嫌でした。

周りも誰もXジェンダーを知らないし、相談できないし、どっちでもないって訳分からないなって。
自分のことなんですけど、そういう風に思っちゃって。

まあでも分かったから誰かに話そうって、セミナーとか集まりに参加して初めてそのときに話したら、自分でも少しずつ分かるようになってきたかなと。

今の社会だとまだXジェンダーって全然周知されてないし、どっちでもないのにどっちかとして生きていかなきゃいけないのが、不安でしかないです。
いきなり知らないところに放り込まれて、お前は社会不適合者だって言われているような気がして。
まだ自認してから日が浅いので、時間が解決してくれるのかなって思いますけど。

―まあよく分からないのがXって気がしますけどね。

その分からないってことが、他の人には全く理解されないんじゃないかと。
何言ってんだって感じだと思うんですよね。

―今もご自分の中での割合は、先ほどと変わらないですか。

今は3対7くらいですね。
セクシャルマイノリティの会で話すと周りは受け止めてくれるので、少し不安は和らいだかなと。
まあ将来不安でしかないですけど。

―あまりロールモデルがいないですかね。

そうですね。

―ところで話がずれますが、今までのお話を伺っていると、Aセクに近いところもあるんですかね。

はい、正に先々週気付いたんですけど。
先月Aセクの方とお会いしてお話を聞いたときは自分のこととしては全然感じなかったんですけど、改めて今までを考えてみるとAセクかもしれないと感じています。

Aセクの方でも色んな人がいると思うんですけど、私の場合あまり人に興味がないと思っています。
あまり人と関わりたくない。全然一人でも大丈夫ですし。
さっきの好きになった人も、どちらかと言うと執着心に近かったなと思います。

自分って冷たい人間だなと客観的に見て思いますけど、直せるものでもないし。
そういう人もいるんだよって言いたいけど、認知されてないから冷たいと思われても仕方ないかなと。

―カミングアウトをされたことはありますか。

まだしたことはありません。
友人とかには後々少しずつしていきたいなと思いますけど、職場や家族にはできないなと思います。
特に職場が、入社前研修と入社式がスカート強制なので。

―え?!そんなところがまだあるんですか?!

トランスジェンダーだからスカート穿きたくないってのならまだ会社側も分かってもらえるかもしれないですけど、
Xジェンダーですってなっても、じゃあそれは何?って思われるだろうなと。

―最後にセクシャリティに関係なくても構わないので、ご自分の目標や社会に求めることなどありますか。

自分を自分で受け入れることが第一かなと。
色んな人の体験談とか見ると、自分をありのまま受け入れて前向きに生きていこうよって言うのを見ますけど、その段階じゃないなって。
そこに近づけられればいいなと思います。

あと、一応会社がダイバーシティを謳っているので(笑)、カミングアウトはしないとしてもそれに携われればいいなと思います。


プロファイル009

セクシャリティ:FtMtX
表現する性別:中性よりな男性がするものが落ち着く
年齢:20代
職業:学生
治療:なし