とあるXの戯言

色々社会不適合者の話

Xジェンダー当事者でその他色々社会不適合者による、どうでもいい話たち。

嵐さん活動休止発表と内向型人間について考えること

ファンの同志たちの多くは、どうすればいいか分からないで私と同じように心が路頭に迷っていることだろう。
そうでない人でも驚いたことだろう。

私のここ12年の心の支えとなっている、ジャニーズの国民的ベテランおじさんアイドルグループ嵐さんが、本日2019年1月27日に(少し1日経っちゃったけど)、2020年12月31日をもってグループ活動を休止をすると発表した。

去年のタキツバやスバル、色々な理由でお休み・脱退した人たちのことを考えると、嵐さんがデビュー20年目を迎えてもデビュー当初と変わらずずっと5人で活動できていることは、日々当たり前のようにサービスを享受しているけれども、やはり奇跡のようなことなんだと実感していた。
実際、それは去年棚ぼた的にギリギリで当選、参戦させていただいた5x20ツアーでも本人たちがしっかり口にしていたし、それを聞いていて本当にそうだよねと思っていた。
その矢先だった。

いつ誰がどういう話をして、どういう結論を出して、そして今日発表する理由まできちんとメンバーの口から伝えてくれたので、それを考えると、すぐにとはいかないが、この約2年間で受け止めていくしかないだろうと考えている。
きっと「平成最後の~」のように、これから先「活動休止前最後の~」という枕詞が、自分の中でも勝手に付いてしまうし、マスコミにも付けられてしまうんだろうけど、まあそうしていくうちに受け止められるようになるかしら。

こういうあまり進んで伝える気にはならない状況をきちんと伝えようとする5人の姿勢、その気持ちを受け止めてちゃんと情報を守る報連相を骨の髄まで徹底しているマネージャー陣はじめスタッフ関係者の方々が今日まで口外せずに、本日私の場合はFCでのメッセージで、つまり本人から一番近いかたちで「報告」を受けることができたのは、本当に関係者全員のプロ意識の高さを感じさせる。
記者会見でも、ケンカにはならなくて話し合いを重ねて着地点を見つけたと言っていたけど、確かに考えてみればメッセージを見てケンカしている図は一度もイメージしていなかった。そういうところが好きだったし、これからも好きなんだろうと思う。
(そして、笑って休みに入るのを見送りたいから、もう誰に対してもこの件に関しては「申し訳ない」とは、思うのは自由だけど言わないで欲しいとも思う。)

何より約2年の猶予をくれたこと(しかも「2020年」というのは、一昨年に大野さんからの話の時点で設けられた期限であったこと)。
話し合いを重ねて、「脱退」「解散」「退所」でなく、「休止」という着地点を見出してくれたこと。
4人でも活動を続けるということにはせず、大野さん迎え入れ可能なかたちで嵐を最高の状態で「保存」することを選んでくれたこと。
本当に心身限界だったら、本当にメンバー間の仲が悪いなら、そんな計らいなどしてくれないだろう。

感謝しかない。



活動休止の理由は、詳細はググるかFC会員の人は改めてメッセージ動画見て欲しいが、大野さんが2017年に嵐としての活動を終わりにしたいとメンバーに話し、何度も話し合った結果、5人でないと嵐でないから、嵐のグループとしての活動を2020年いっぱいで休止するというもの。

まあつまり、大野さんは嵐を辞めたっかたわけだ。

(と、色々会見を見た後でも、やっぱり俺はそう受け取りました。別に誰かを責めているわけでもないし、悲観しているわけでもありません。)

そこに際しては、少なくとも私は驚きはそこまでなかった。
(記者会見でJが大野さんの相談に驚かなかったと言っていたのに、むしろ私は共感したくらいだった。)

というのも、ファンの皆様はご存じだろうが、大野さんは元々デビューしてから10年目まで、ずっと嵐を辞めたかった。でも10周年で多くの人に祝福されて腹をくくって辞めないことにした。と、15周年のときに言っていたからだ。

大野さん、辞めたかったんだ。
それは、当時結構衝撃だった。
でも、(当時まだ「内向型」という言葉もよく知らなかったけど、何となくそれを感じていたからか)浮世離れしているであろう刺激過多とも見える生活を想像すると、辞めたいという気持ちも分からなくもなかった(内向型人間に関しては後述)。
でもそれ、本当に吹っ切れたのかな、という疑問もなくはなかったけど、でも5人でいつまでも活動を続けて欲しかったから、昔の話、今はもう解決済みのこととして処理していた。

でも、とうとう、限界が来たんだ。
メッセージを読んで、動画を見て、すぐそう思った。
(「疲れたということではない」と大野さんは言ってはくれているけど。)

それなら仕方ない、この20年止まらずに活動し続けた方が信じられないほどすごいんだから、いくらでも気の済むまで休んだ方がいい、と思った。

それは、休止を受け入れたというよりは、大野さんという恐らく内向型人間への、超内向型人間からの「同情」だった。



というのも、今私は、『内向型を強みにする』という本を読んでいる。

あらかた読み終わっているものの、本当は読了後にブログに色々備忘録兼ねて本書に関して書こうと思っていたけれど、こういう事態だからやむを得まい。

内向型人間に関してざっくり説明すると、本書によれば、内向型人間は割合でいうと全体の1/4で、外の世界から外向型人間より刺激を受けやすいので、より一人の時間が必要な人間のこと。

かくいう私は、内向型人間である。
社交的でない=外向型人間ではないことはとうに分かっていたが、どうやら思っている以上に超内向型のようである。

そして、大野さんも恐らく、十中八九内向型人間だろう。というのは12年間活動を見ていてひしひしと感じいている。
というか、内向型人間という言葉や知識を知る前からすでに、社交的ではないし一人好きだよね、というのは何となく分かっていた。

本書を読み進めるうちに、「あ~だからこういうの苦手なんだな」「あのときしんどかったのはこういうわけなんだな」と自分自身の今までの経験で思うこともたくさんあったが、それに引けを取らないくらい思っていたことがあった。

大野さん、アイドル業向いてねえな。

別に今までの大野さんの活動は他のメンバーに比べて質が低かったとか場数が少なかったとか、もの申したいことがあるというわけでは、全然ない。少なくとも嵐さんの活動はメンバー間でクオリティという点で比較できる類のもではないと思っている。
今までの活動には本当に感謝しかない。

ただ、例えば内向型人間は多くの人の中にいると加速度的にエネルギーを消耗する。たとえその場が楽しいものだったとしても、早めにお暇して、家に帰って一息つきたくなる。
注目されるのも得意ではない。
即興性を求められる口頭での話や発表というのも苦手。
ということを思うと、コンサートはたとえ楽しかったとしても、すごく緊張するし疲れるんだろうな、とか。
一人の時間が他の人よりも多めに要るなら、ドラマや映画の撮影とか、長期間一人の時間がないのは、しんどいだろうなとか。
週刊誌から追いかけられるとか、常に緊張感をもって行動しなきゃいけなくて休まる時間も行動の自由も圧倒的に私のような守るものも何もない一般ピーポーより少ないのは、誰でもつらいだろうけど外向型人間よりもさらにエネルギーを消耗するんだろうなとか。

とは言っても、正直言って嵐さんの中では歌と踊りは特に大野さん頼りであるのには変わりない、というのには異論はほぼないだろう。
特に、ダンスに関しては個人で独自のルートで追求しているし、そういう好きなものに自分の世界観で一人没頭するのも、内向型人間らしいと言えばらしい。
そういう他の追随を許さない圧倒的な技術を若いうちからもっていて、それを周りから認められて求められて、さらに追求していったから、何とか、20年続けられているのだろうと思っていた。

そんなことを考えていた、矢先だったのだ。

人間には、十人十色の「適性」というものがある。
そりゃみんな適性のある仕事ができるわけではないし、何をもって適性があるとするかというのも、人間が人間である限り特定するのは難しいと思う。
でも、適性は確実にあるはずだし、無視していいものでもないし、個々人が最大のパフォーマンスをして経済をより効率的に回すためには、その個々人の適性を雇用者は考慮すべきである。
そして、自身も適性を追い求めて職を変える自由があるし、できるだけそうすべきである、本来は。
それはどの業界、職種でもそうだと思っている。

色々限界なのだと思った。
(上述のとおり、大野さんがいくら「疲れたとかいうわけではない」とは言ったって、今後もそういう発言をしたとしても、内向型人間としてここまで走り続けてきた分の疲れをくみ取るべきだと私は思っている。)
デビューから、常にいくつもレギュラーや出演作を抱えてというわけではなかったけど、休まず活動を続けて、人の目に晒され続けてきた。
今年はデビュー20周年だし、40歳近いし、いつまでアイドルするか、アイドルできるか、アイドルでいたいのか、考えたんだろう。
それを思うと、受け止めるまでの期間として2年も猶予をくれたし、5x20は昨年末発表したとおりまだまだ続くし、それ以外のレギュラー番組などの「いつもの」グループ活動ももうしばらくは多分続いていくだろうし。

大野さんはもう十分頑張ったんだと感じた。

メッセージ動画も、決して明るくはないけど、でも時折4人は笑顔を見せた。
大野さんが話した後には場を和ませようと口火を切った二宮さんの優しさを感じたし、そのあとのJからはアツいもの、一種のファンへの挑戦のようなものを感じた。相葉さんはよく泣かなかったねと思ったし、翔さんは5人の今までの話し合いやこれからのことを分かりやすくまとめてくれた。
本当にこの5人でよかったと思った。涙腺がっちがちに固くていくら感動しても嵐さんに「泣かされた」ことないのに、初めて泣いた。
記者会見も、(「無責任」の質問で翔さんが怒りをあらわにしてるのは怖かったけど、それもらしいといえばらしいが)笑いながらフォローし合う場面もあって(そして何より相葉氏をはじめとして誰も泣かず)、本当に素晴らしかった。
(尤も、ほとんど泣きながら見てたからあんまり覚えてないけど。)

言い出すのは大変だったろうけど(だからこそ、言い出すときにはすでに本人の中では熟孝に熟考を重ねてるからほとんど確定事項だし、ほぼそのように受け止めた翔さんは本当によい理解者だと思った)、大野さんが長期間休むということは、正直内向型人間としてはうらやましすらある。
そもそも私は休むほど動いてもないから長期間休むのはまだまだ先だろうと思うけど、それにしてもうらやましい。
大野さんは休みにどんなことをやるんだろう。やらないんだろう。
長期間休めるって聞いただけでわくわくするよね。すごく分かる。



何とか「休止」にはなったけど、そんな1、2年で復帰というわけにはいかないんだろうな、いつ復帰してくれるかなんて、正直期待しないで気長に自分の人生をいきていくしかないんだろう、覚悟しないといけないんだろうなとも、確かに思っている。
けど、何とかこの2年の間にこの報告を受け止めて、この2年を、20年強の活動を記憶に焼き付けて、こちら側としても悔いのないように応援したい。応援し尽くしたい。そして休む。この際だからお金貯めて旅行でもしよう。

同志よ、強く生きようではないか。