とあるXの戯言

色々社会不適合者の話

Xジェンダー当事者でその他色々社会不適合者による、どうでもいい話たち。

弟の夫が想像以上によかった

大変ご無沙汰しております。
皆さんお元気でしょうか。私はそこそこ元気です。



さて、「今日は何も予定ないからブログの記事を書こう」と決意して5回目くらいでやっとこの記事を書いています。

とは言ってもRainbow Lifeでは隔週で記事が更新されているので、こちらも合わせてお願いいたします。
俺の記事の一覧はこちらから。



というわけでひっさびさの更新となる今回は、気付いたら一ヶ月ほど日時が経ってしまいましたがレインボーウィーク中にNHK総合で一挙放送された

NHKドラマ『弟の夫』の感想を残しておこうと思います。

一言で表すと、タイトルの通りですけど

想像以上にめちゃめちゃよかった。

※※※以下ネタバレ注意※※※













まず画がキレイで、最初に画が飛び込んできた瞬間に好印象になりました。

「今話題」のLGBTの波にとりあえず乗ってみたとか
原作マンガだし
とかテキトーな感じだったら嫌だなあと漠然と不安だったんですが
(地上波放送を信じ、またネタバレ嫌なのでBSプレミアム放送時期は感想を見ないようにしていました)
その最初の瞬間で「きっとこドラマはよい作品だ」と信じることができました。

実際、きっと丁寧に制作されたんだろうな。


LGBT入門」として最適

「最近『性的マイノリティ』とか『LGBT』とか巷で聞くけど、実際テレビのオネエタレント以外で見たことない」
「弊社でダイバーシティのキャンペーンやり始めたけど、性的マイノリティに関して具体的にどうすればいいのか分からない」

のような「LGBTと言われましてもよく知りません」的なマジョリティ向けとして分かりやすい作品だと思いました。

すなわち多くの視聴者にとっては、弥一の目線で「実は身近にいるセクシャルマイノリティ」を追体験しやすくなっているということです。



弥一が実際に認知しているか否かは置いておいても、弟、弟の夫、娘の友達の兄、弟の学生時代の友人、これだけゲイが身の回りにいるということ。

あ、こんな感じで当たり前のようにセクシャルマイノリティっているのかも、と感じた人が少しでもいたらこのドラマは成功したんじゃないかと思います。


しかし、やはり「入門編」である

ただしかし「入門編」の域からは脱していないかなあ、と正直感じました。

(入門編も初級編もすっ飛んで、かつ説明も省いたのが「女子的生活」な)

なぜなら、原作を読んでいないで申し上げるのは恐縮ですが

少なくともドラマに出てくるセクシャルマイノリティは全員ゲイだったから。

確かにゲイでも、年齢も立場もカミングアウトの状況も様々な人がいて、それはすごくよかったなって思ったんですけど

でもセクシャルマイノリティってゲイだけじゃえんだわ。
ましてLGBTだけでもねぇんだわ。

(原則私は「セクシャルマイノリティ」という言葉を使うようにしているのですが、少し前にある方とお話しさせていただいたときに、実際に自分が「『性的マイノリティ=LGBT』って思ってたから、性自認においてもセクマイだって大学生になるまで気付かなかった」ということを思い出して(※それまではL寄りB、性自認は未タッチ)
だからこそ俺は今後も「セクシャルマイノリティ」と表現しようと思いました。
ちなみにその話した内容も近日ここではないどこかから公開される予定ですが、その際はまた告知いたします。)



「『ゲイ=オネエ』って形でよくテレビで出てきますけど、その方程式も厳密には間違ってますし、ゲイと言ってもこんない多種多様なんですよ」
って、まず比較的マジョリティにも馴染みのあるゲイの多様性から切り込んで(それがこのドラマだとして)
今後「LBT」のキャラクターが出てくるコンテンツも増えて
最終的には色んなセクマイの人が(特にそのストーリーのテーマとして主軸に置かれることなく)当たり前に登場して、視聴者も特に気にすることなく見られる……。



日本がそんな世の中になるのは果たして何十年後でしょうかね。




とにかく弟の夫の制作に携わった方々、良作を世に送り出してくれて、そして地上波でも放送してくれてありがとうございました。






あー、この記事の後、恐らく近いうちに今度は「おっさんずラブ」の感想もアップすることになるんですけど
まじ放送終わってしんどい。

無論円盤は予約した。