とあるXの戯言

色々社会不適合者の話

Xジェンダー当事者でその他色々社会不適合者による、どうでもいい話たち。

【映画レビュー】浅田家!

こんにちは、昨日も今日も明日もニートです。

一時期は一人で公開を危うんでおりましたが、結果としては予定通り公開に至った映画『浅田家!』について、本当なら公開初日の朝一番に見たかったのですが、金銭的余裕がないのでこの体と戸籍のおかげで安く見られる水曜日に観に行きました。

(もちろんレディースデーを利用するのはモヤるけど、無収入なのでそうは言っていられないのと、心中ではどういう性自認だろうが社会的に女性として生きていくということは本当にムカつくけど職業獲得の機会の少なさや賃金格差などの女性差別から免れるのはほぼ不可能なわけで、じゃあ映画の割引くらい受けたっていいよねって自分を納得させています。
にしても通常料金1800~1900円くらいなのに1200円で見れるとか安すぎるよな。ニートになってから何回か映画見てるから、もう定価1回分くらいは得させてもらってると思うわ。そう思うと申し訳ない)

これでも二宮担当なので、二宮さん中心に今回は書こうと思います。
以下ネタバレ注意ということで。

ストーリー

久々にほっこりして笑えるコンテンツを見た気がします。
どちらかと言うと後味悪い作品とかバッドエンドを好みやすいというか、そういうのを引き寄せやすいようで。

家族の絆~とか私としてはそういうの本当に身の毛がよだつ方ですし、写真そのものもあまり好きでないうえに家族写真を撮られるのが一番嫌いなんですけど、そういった押しつけがましさも感じず、自然に浅田家が好きになれましたし、浅田家や政志が撮った各家庭の家族写真に対して笑って、感動できました。
本当にあの4人が家族に見えます。個人的にはゆるいお父ちゃんが好きだな。そしてお兄ちゃんに同情した。
まあその家族の感じも、全員の演技の上手さに裏打ちされたものなんでしょうけどね。

かといって、子供のころに他人が沢山いるところでどこで買ってきたんだかっていうお揃いのダサいセーター着させられて写真撮るぞって親に言われたら……しかもそれを年賀状の写真にして各方面にばらまくからなって言われたら、写真トラウマになるかも。
そういう経験をしてるにも拘わらず写真家になりたいってご本人は思われて、しかも周りを巻き込みまくって実現されたっていうのは、やっぱりなかなか変わった方なんだろうなと思います。

全体としては笑える作品だけど、でも父ちゃん死んじゃうんかー死ネタは避けられないかーと思ったら元気だしwwブラックジョークかよwwwやられたわwwwww

一番の笑いどころである浅田家の家族写真(映画版)は、パンフを買うとじっくり見られますよ。
今までで一番パンフとセットで見る方がいいと思った作品かもしれない。

しかし、ほっこりした映画とはいえ、後半パートはとても重いけど。来年の3月でもう東日本大震災から10年なのか……。

二宮さん

キャラクター

新しいようで近しいキャラクターの二宮さんを見た気がしました。

と言うのも、個人的にここ数年の二宮さんの演じた役柄でハマったのは渡海先生と、殺せんせー(殺せんせーは、役というより、俺が万物の中で一番好きな二宮さんの声を思う存分楽しめたというので印象深い)。
渡海先生は(陰ながら努力家だけど)人当たり最悪で性格が鬼悪いのが好きでしたが、今回はその逆で、クズな面もありつつ、しかも色んな人を巻き込むくせに、心の底からは憎めない。なぜだか協力して、応援したくなる。パンフにも書いてあったけど、人たらし。
人たらしで憎めないって点では二宮さんと近いのかなあと思って、そういう役は俺が知る限り初めてじゃないかなと思うのです。

ビジュアル

政志のビジュアル変遷がパンフにも載っていましたが、二宮さんのビジュアル面でも楽しめました。正直そこは鑑賞前にはあまり期待してないというか想定してなかったので、ちょっと嬉しい誤算。

まず、なんつってもひげが似合うようになった。
童顔だし、今までもたまに生やしたり生えてる姿が映ったりしたこともあったけど、今回はよかったと本当に思った。大人になったねww
ひげなんかぜってー似合わねえだろう2003~2004年あたりの永遠の17歳真っ只中(俺が推す二宮さんビジュアルピーク)のときゃ想像つかなかったけど、似合うようになるんだなあ。

それに加えて、長髪な。
デフォとしては黒髪短髪が好きだけど(特に、俺が推す二宮さんビジュアルピークその2である『拝啓、父上様』の一平くらいの短髪)、ニートやってた長髪姿が、ひげと相まってよかった。
さらに、これは二宮さんがというより、(顔がいい)男性のハーフアップが好きなんですけど、これも楽しめて最高でした。
いや、あの状態でいてくれとは全然思わない(笑)けど、クズニート感出てんなあとガチニートは思いました。
アイドル感が消えてて最高でした。
(アイドル感がない状態が好きなのではないのです。アイドル感ないのと最高にアイドルしている姿とを比較して楽しみたいのです。つまり何でもござれです。)

男性だけじゃなくて、女性のハーフアップして清楚な感じなのも好きなんですけどね。なんせパンセクシュアルなんで。
結論としてはハーフアップは正義ですね。
まあ、俺がやるとなぜかヤンキー感出るから、自分ではやんねえけど。

長髪やハーフアップの二宮さんもよかったですけど、専門学校時代の染髪して刺青入れたとがってる姿も、ピカ☆ンチあたりを彷彿とさせて、これまたよかったですね。
しかもその姿を見て、お母ちゃんが頭ごなしに叱るわけでもなく「カラフル」と表現したときに、この家族いいなーと感じました。

写真

あの家族写真は、お兄ちゃんが頭を下げて(笑)、相手にも協力してもらって、大人で仕事してて忙しい家族も集合させて撮られた、準備に準備を重ねた写真。めちゃめちゃネタだけど(しかも作り話じゃなくて実話ってのが、発想といい行動力といい団結力といい、ある意味恐ろしい。まさに天才の所業)。
ただ見せるんじゃなくて、プロの写真家として写真集として出版して世に出すにも、また苦労がありました。

でも、それもパンフに書いてありましたけど、今は思い立ったら簡単に高画質な写真を撮れる時代。
しかも、フォトショとか専門的なソフトにお金をかけたり、それを使いこなすスキルがなくても、無料のソフトでいくらでも加工もし放題。
別にプロじゃなくても、インスタに上げれば、もしかしたらコスト0でバズって有名になる可能性だって、0じゃないし。

本作は、そういう、簡単に写真を撮って公開するっていう風潮に一石を投じるような作品でもあるかもしれないですね。

私自身は、写真を撮るのも撮られるのも見るのもあまり好きじゃないですけど(嵐さんだけは唯一の例外)、ああいう風に家族写真を撮れる家族だったら、もしくは浅田さんに家族写真を依頼したいと思える家族だったら、幸せだったんだろうなと思います。
(でも残念ながら実際の家族とは写真なんて絶対撮りたくないですけどね。)



観て損はないと思います。
関係各社の皆さん、予定通り2020年秋に公開してくださって、ありがとうございました!お疲れ様でした!