とあるXの戯言

色々社会不適合者の話

Xジェンダー当事者でその他色々社会不適合者による、どうでもいい話たち。

【映画レビュー】「窮鼠はチーズの夢を見る」見て読んだ

好きで苦しくて幸せ。

あ~そんな恋愛してみて~久々にしてみて~クッソ

どうもニートです。

ニートなのでこのほど映画『窮鼠はチーズの夢を見る』を見てきました。
だって映画のビジュアルのバックハグ構図が完璧中の完璧じゃないですかwwwwwwあんなん見せられたら見に行くっしょwwwwwwwwwwwww

ついでに映画鑑賞後に耐えきれず原作も読みました。しかも企業面接前に読みましたww
結構原作と違うんですね。特にラストが。

なお原作については、表題『窮鼠はチーズの夢を見る』と続編『俎上の鯉は二度跳ねる』という単行本が映画の元なのですが、これらをまとめてさらに今回新たに描き下ろされた番外編をセットにした作品がKindleで発売されていて、まあホイホイだから速攻ポチりましたよねという。YOU読んじゃいなよ。
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さてここからは映画、原作を知っている方に向けて書きますので、ネタバレ内容も含みますのでその点ご了承ください。


内容

まあまあハード

映画を見て一番に思ったことは、「大倉担でBL耐性ない人はどう見ればええんやww」でした。
というくらい結構しっかりBLでした。

ちゃんと心理描写もあるんだけど、ヘテロ含めて濡れ場のシーンがかなりある。
まじでR15なんけ?どういう基準で線引きしとるんけ?少なくとも女性のおっぱいしっかり出てきていたが??めちゃくちゃ腰振ってパチンパチン言ってますが?????

映画鑑賞後にタイトルでついーと検索したら「自担のケツにローション垂らされるシーン見たことありますか?私はあります」っていうパワーついーとを見かけてしまって心の中で大爆笑不可避でした。
ひと笑いご提供ありがとうございます。

(そもそも、てっきり私は今ヶ瀬は大伴にはタチをやらせてあげると思ったんですがね、大伴はヘテロですし、今ヶ瀬は誘い受けっぽいなとも思ったので。と思ったら大伴のケツにローション垂らすんですもんww「ふえ?」ってなりましたwwwwwwwwwまあそのあとリバなんやなって分かるわけですけど。ある意味タチネコ固定じゃないのはよかったですね(?))

こんなにしっかりBLで(R15ではあるが)年齢制限付きの内容を全国的にしっかりCMとか流しちゃって世の中大丈夫なのかと思いつつ、一昔前だったらまあBLってだけで全国的に大々的に宣伝とかしねえだろうなと、価値観の変化も感じました。
その辺りはやっぱりBLを全国に広めた『おっさんずラブ』の影響が大きいのかもしれません。敷居が低くなったというか。

キャラクター

大伴がクズな件

ゲイではないですがLGBTQ当事者なのでこういうときは今ヶ瀬目線で見てしまうのですが大伴控えめに言ってクズだなwwwwwwwwwwwwwww
よさそうな会社で若手ながら役職もってて後輩とか嫁さんにも優しそうに見えるのに、「流された」って言い訳で言い寄られた人たちと次々に平気で関係を築くの、関係者全員に無責任だわ~~~
(原作では「流された」っていうのがもっと全面的に出てて、そこまでクズっぽくはなかった印象。まあでもクズなんだけど)
(大学時代テニサーだった描写が出てきたので、「クズそのものじゃねえか」って思いました(ど偏見ごめんなさい))

大倉くんがそのクズっぷりの演技が見事だったと思います。
何より、彼って関ジャニの中では若いしビジュアル担当(ですよね)みたいな印象があるんですけど、映画の中での若さとやつれサラリーマン具合のバランスがちょうどいいというか。
なんか全然ジャニーズみ、関ジャニっぽさ感じなかったんだよなあ(褒めてます)。むしろ観賞後についーと検索して「ああ、やっぱ大伴演じてる人は関ジャニのメンバーでアイドルしてんだよな」と再確認したくらいでした。
だから大伴として見ることができたと思います。

今ヶ瀬、俺にゃ分かるぜ……

大伴がなぜそこまで好きなのか、分かりみが深かったですね。
重々分かってるんですよねクズってのは。多分本当は苦しいから、大伴から、ひいては大伴との関係が切れた大伴大学卒業後は大伴の思い出から、今ヶ瀬は抜け出したかったんじゃなかろうかとも。
まあ苦しいと分かっていながら抜け出せないのははっきり言って依存ですがね、重い依存状態だと思いますよ。
そりゃ俺だって未だに一昔以上前の初恋の相手引きずってるけど、そこまで生活に支障出るほどではないわ。足かけ8年まで思うほどでもないわ。いや思ってるか。一生会うことないだろうに。

でもねー、クズと分かってても、出会いのシーンの大伴に声かけられたら、あれは落ちるのも仕方ないわー。
今ヶ瀬思い出フィルターバシバシかかってるとは思うけど、でもあの大伴輝きすぎだろ……。
人は第一印象で決まるみたいなこと言うけど、一目惚れは本当に抜け出しづらいよね(経験談)。大伴と関係が切れた間だって他の恋愛っぽいことしてたけど、まあ一目惚れで自分の中だけで一旦終了しちゃったものはなかなか忘れられないよね(経験談)。

映画はバッドエンドっぽかったですけど(でも原作読んだ後は、原作みたいにあの後またすぐ今ヶ瀬が大伴のところに舞い戻って寄り戻してまた離れて、を繰り返すのではないかとも思う)、今ヶ瀬はもう大伴のところには戻らない方がいいと思いますよ。精神衛生上よくない。健康第一。健康的に暮らせる相手を見つけるべき。好きすぎてしんどいから。好きすぎてしんどい状態を、残念ながらあの二人では、今ヶ瀬は乗り越えられないと思う。かわいそうに。
ほんでどうせ大伴はきっとモテ体質だからまた新たな恋人が近いうちにちゃっちゃとできるんだと思いますよ。そういう奴からは離れた方がいい。これ真理。

(それで言えば大倉くんの大学時代とリーマンの演技の分け方も見事だったな。でも彼大学通ってないよね。なのにすごくテニサーっぽかった)
(ちなみに原作の今ヶ瀬はもっとメンがヘラってました)

俳優

すでに触れてますけど、大倉くんは本当に素晴らしかったと思います。大伴そのものに見えましたから。
本当はもっとお綺麗でアイドルされているはずなのに「まあまあビジュアルいい方だけど、なぜかやたらモテる、仕事ぶりは上々なアラサー」に見えましたもんね。
青山のおしゃれなオフィスで自転車通勤で働くキラキラさと、ちょっと仕事や家庭や不倫やらで疲れてる感じとが両立していましたもんね。
もっと他のも見てみたいなと思わされました。

まあでも秀逸だったのはやっぱり成田氏演じる今ヶ瀬の、大伴を見つめる視線ですかね。熱っぽさというか、執着というか。美しいですね。怖いですね。あんなの二次元でしか見れんと思ってたわ、ありがとうございました。
(最初に成田氏の演技を見たのは朝ドラで、あのときは正直に言って演技下手な印象だったのですが、今回は依存っぷりが最高でしたね)

あとは、ほな・いこかさんですね。
今回は俳優業なのでさとうほなみ名義で活動されていますが、夏生役はバンド「ゲスの極み乙女。」のドラムのほな・いこかさん。色々バンドの方がごちゃごちゃした後に俳優業を開始されたのは知っていましたが(まあバンドなんてそんなもんよ)、今回すごく記憶に残りました。
まだ台詞っぽいところもいくつか見受けられましたが、何と言ってもよかったのは3人の修羅場シーンですね。あれ私面白くてマスクの下でめちゃくちゃ笑ってたんですが。他人の修羅場って面白いですよね(笑)。
強気で、一人で生きていけそうな感じがすごく印象に残ったんですよね。



総じて、映画はバッドエンド(っぽい)だったのも、さすが『ナラタージュ』の行定勲監督ですよねって感じで、とりあえずBL好きは鬱世界にどっぷりはまれるので見て損はないと思います。
大倉担の方はビジュアルが強いのでちょっと覚悟して見てください(まあもう見てるだろうけど)。
ただしBLをたしなんでいる前提じゃない場合は1人で観に行くことをお勧めします。気まずくなること間違いなし。



映画関係者の皆さん、こんな状況のなか、公開になんとか漕ぎ着けていただきまして、ありがとうございました!お疲れ様でした!